自社申請と社労士依頼の比較

助成金の申請方法には、大きく分けて「自社で申請する」「社会保険労務士(社労士)に依頼する」の2つがあります。どちらが正解ということはなく、会社の状況によって適した選択は変わります。

このページでは、費用・手間・確実性の3つの観点から両者を比較し、自社に合う進め方を判断できるように整理しました。

まず押さえておきたい前提

助成金の申請書類の作成や提出を代行できるのは社会保険労務士だけです。これは社会保険労務士法で定められており、コンサルティング会社などが報酬を得て代行することはできません。

したがって選択肢は、「社労士に代行してもらう」か「自社で申請し、必要に応じてツールや情報の提供を受ける」かのいずれかになります。この前提を知らずに「代行します」と謳う業者に依頼すると、トラブルにつながる可能性があるためご注意ください。

自社申請と社労士依頼の比較

比較項目自社で申請社労士に依頼
費用外部への報酬は不要着手金+成功報酬が一般的
社内の手間書類の準備・記入を自社で行う資料の提供が中心で負担は軽い
必要な知識要件の理解が必要(ツールで補える)専門家に任せられる
スピード社内の対応力次第慣れているため進行は早い
複雑な案件難易度が上がると負担が大きいイレギュラーな事案にも対応しやすい
社内ノウハウ2回目以降は自社で進めやすくなる社内に知見は残りにくい
労務管理全般自社で整備する必要がある顧問契約なら継続的な助言を受けられる

社労士に依頼する場合の報酬は、着手金として数万円、成功報酬として受給額の10〜20%程度を設定している事務所が多く見られます。ただし金額は事務所ごとに異なり、顧問契約の有無によっても変わるため、必ず事前に見積もりをご確認ください。

費用の差はどのくらいか

受給額100万円のケースで、手元に残る金額を比べてみます。

自社で申請した場合

100万円

外部への報酬:0円

※社内の作業時間は必要です

社労士に依頼した場合

80〜90万円

成功報酬:10〜20万円(報酬率15%前後の場合)

※別途着手金が必要な場合もあります

差額は10〜20万円ほど。1回だけなら「手間を考えれば妥当」と感じるかもしれませんが、助成金は毎年のように活用できる制度があります。3年、5年と続ければ差は数十万円規模になります。

社労士に依頼したほうがよいケース

  • 社内に労務担当者がおらず、書類作成に割ける時間がまったくない
  • 就業規則が整備されておらず、ゼロから作り直す必要がある
  • 過去に労働基準監督署の指導を受けたことがあるなど、慎重な対応が必要
  • 複数の助成金を組み合わせるなど、判断が難しいケース
  • すでに顧問社労士がおり、申請も含めて任せられる関係がある

特に就業規則や賃金規程に不備がある場合は、まず専門家に整えてもらうほうが結果的に早く進みます。助成金の要件は労務管理の実態と直結しているため、土台が崩れていると申請自体が成立しません。

自社申請が向いているケース

  • 就業規則や賃金台帳など、基本的な書類がひととおりそろっている
  • 正社員化や賃上げなど、取り組む内容がすでに決まっている
  • 受給額をできるだけ多く手元に残したい
  • 今後も継続的に助成金を活用していきたい
  • 労務管理をこの機会に見直したいと考えている

自社申請の最大のメリットは、費用面だけではありません。申請の過程で自社の労務管理を点検することになるため、気づいていなかった不備を早い段階で見つけられるという副次的な効果があります。

自社申請のハードルと、その解決策

「どの制度が使えるか分からない」

助成金は数十種類あり、それぞれに細かい要件があります。すべてを読み込むのは現実的ではありません。業種・従業員数・今後の取り組み予定から絞り込めば、検討すべき制度は通常1〜3件程度に収まります。診断ツールや相談窓口を使い、まず候補を絞るところから始めるのが効率的です。

「書類の準備に時間がかかる」

申請には就業規則、労働条件通知書、賃金台帳、出勤簿などが必要です。紙やExcelで管理していると、必要な期間の記録をそろえるだけで数日かかることもあります。勤怠・給与をクラウドで管理していれば、必要な帳票をその場で出力でき、この負担は大きく下がります。

「記入内容が合っているか不安」

申請書は記入漏れや整合性の不一致で差し戻されることがあります。入力項目をガイドしてくれるツールを使い、提出前に確認できる体制があれば、この不安はかなり軽減できます。

当サイトでご案内しているのは、自社申請を進めるためのクラウドツールと情報提供です。申請書類の作成代行は行っておりません。代行が必要な場合は、社会保険労務士へのご相談をおすすめします。

導入コスト0円で自社申請を進める方法

「リブオフィスクラウド」は、勤怠・給与・労務の管理をクラウド化しながら、助成金の申請に必要な書類を整えられるツールです。導入コストは0円で、専門スタッフが制度選びから申請の進め方までサポートします。

日々の労務管理と申請準備が同じ仕組みの上でつながるため、受給額を手元に残しつつ、バックオフィスの作業時間も減らせるのが特徴です。2回目以降の申請は、さらにスムーズに進められます。

自社で申請できるか、無料で診断

対象となる可能性のある制度と、自社申請で進められるかどうかをご案内します。

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よくある質問

助成金の申請代行は誰でもできるのですか。

いいえ。報酬を得て申請書類の作成・提出を代行できるのは、社会保険労務士に限られます。それ以外の事業者が行う場合は、ツールの提供や情報提供といった支援にとどまります。

途中まで自社で進めて、難しければ社労士に相談してもよいですか。

問題ありません。まず自社で要件を確認し、判断が難しい部分だけ専門家に相談するという進め方も現実的です。

社労士の報酬は経費になりますか。

事業に関連する支出であれば、一般的に経費として計上できます。具体的な処理は顧問税理士にご確認ください。

自社申請だと不採択になりやすいのでしょうか。

助成金は審査で採否が決まる補助金とは異なり、要件を満たしていれば支給される制度です。申請者が誰かによって結果が変わるものではなく、要件を正しく満たし、書類を不備なくそろえられるかが重要になります。

まとめ

社労士への依頼は、手間を減らし確実性を高めたい会社に適しています。一方、書類の土台がある程度整っていて、継続的に助成金を活用していきたい会社であれば、自社申請のほうが手元に残る金額は大きくなります。

判断に迷う場合は、まず自社が対象となる制度を把握するところからです。制度が分かれば、必要な作業量も見えてきます。無料診断では、対象となる可能性のある制度と進め方をあわせてご案内していますので、お気軽にご利用ください。

※記載の報酬相場は一般的な目安であり、事務所や契約内容により異なります。助成金の支給要件・金額は変更される場合があるため、最新情報は厚生労働省および各自治体の公式情報をご確認ください。