介護・美容・小売 など

助成金は業種を限定しない制度がほとんどです。雇用保険に加入している従業員がいれば、業種を問わず対象になり得ます。ただし、業種によって「使いやすい制度」と「つまずきやすい点」は異なります。

このページでは、介護・福祉、美容・サロン、小売・サービスの3分野について、それぞれ相性の良い制度を整理します。

介護・福祉

この業種の課題

離職率の高さと採用難が最大の課題です。加えて、夜勤を含む変則的なシフト、資格取得の支援、身体的な負担の大きさなど、労務管理の論点が多い業種でもあります。処遇改善に取り組む姿勢そのものが、採用力にも直結します。

相性の良い制度

制度名対象となる取り組み
キャリアアップ助成金パート勤務の介護職員を正社員に転換する、賃金規定を改定する
人材開発支援助成金介護福祉士実務者研修、喀痰吸引等研修などの受講を支援する
人材確保等支援助成金
(雇用管理制度助成コース)
評価制度や賃金体系を整備し、離職率の低下と賃上げを実現する
両立支援等助成金育児・介護と仕事を両立できる職場環境を整える
業務改善助成金賃上げとあわせて、記録システムや介護機器を導入する

介護職員等処遇改善加算は、介護報酬の仕組みであり、ここで解説している雇用関係の助成金とは別の制度です。両方を並行して活用している事業所も多くあります。

注意したい点

  • 夜勤や変則シフトのため、出勤簿と賃金台帳の整合性の確認に手間がかかる
  • 処遇改善加算の対象となる賃金改善と、助成金の賃金要件は判定方法が異なる
  • 資格取得支援は、受講を申し込む前に計画届を出す必要がある

美容室・サロン

この業種の課題

スタイリストの独立による人材流出、アシスタント期間の育成コスト、指名や売上に連動する賃金体系の複雑さが特徴です。少人数の店舗が多く、労務管理まで手が回らないという事情もあります。

相性の良い制度

制度名対象となる取り組み
キャリアアップ助成金アシスタントやパートスタッフを正社員に転換する、賞与・退職金制度を設ける
人材開発支援助成金カット・カラー技術、接客、マネジメントの研修を実施する
業務改善助成金賃上げとあわせて、予約管理システムやPOSレジ、施術機器を導入する
デジタル化・AI導入補助金予約管理・顧客管理システムの導入(審査による採択が必要)

たとえば、こんなケース

勤続4年のアシスタント1名を正社員に転換し、就業規則に転換制度を新たに規定。

・重点支援対象者に該当するため、1人80万円

・正社員転換等制度の規定に関する加算(1事業所1回)= 20万円

合計100万円が受給の目安(要件を満たした場合)

注意したい点

  • 業務委託契約のスタイリストは、雇用ではないため対象外
  • 歩合給の割合が高いと、賃金の増額要件の判定が複雑になる
  • 就業規則を作成していない小規模店舗では、まず規則の整備が必要

小売・サービス業

この業種の課題

パート・アルバイト比率が高く、最低賃金の引き上げがそのまま人件費に響きます。人手不足が続くなか、レジや在庫管理の省力化と、限られた人員での店舗運営が共通の課題です。

相性の良い制度

制度名対象となる取り組み
業務改善助成金時給を50円以上引き上げ、セルフレジ・在庫管理システム・什器を導入する
キャリアアップ助成金長く勤めているパートを正社員や無期雇用に転換する
デジタル化・AI導入補助金インボイス対応ソフトとあわせてPOSレジ・タブレットを導入する
小規模事業者持続化補助金販路開拓のための広告、ウェブサイト制作、店舗改装など

注意したい点

  • 学生アルバイトは雇用保険の加入対象にならない場合があり、対象者に数えられないことがある
  • 店舗ごとに申請する制度と、会社単位で上限がかかる制度が混在する
  • 単なる経費削減が目的の設備は、業務改善助成金の対象にならない

業種を問わず共通する3つの前提

どの業種でも、助成金を受け取るには次の3点が土台になります。

  • 雇用保険の適用事業所であること。週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがあるパート・アルバイトは加入対象です。未加入のままだと、対象者に数えられません。
  • 就業規則と記録が整っていること。就業規則、労働条件通知書、賃金台帳、出勤簿。この4点がそろっていれば、多くの制度は自社でも申請できます。
  • 取り組みを始める前に手続きをすること。計画書の提出や就業規則の改定を先に済ませないと、実行しても対象外になります。

この3つのうち、最も多くの会社がつまずくのが記録の整備です。紙やExcelでの管理では、申請に必要な数カ月分の書類をそろえるだけで期限を迎えかねません。

記録の仕組みを整えることが最短ルート

業種が違っても、申請でつまずく理由はほとんど同じです。制度の理解ではなく、必要な書類がそろわないことが壁になります。

「リブオフィスクラウド」は、勤怠・給与・労務の記録をクラウドで管理しながら、申請に必要な帳票を出力できるツールです。導入コストは0円で、シフト制でも夜勤があっても記録が自動的に残ります。どの制度が自社に使えるかは、専門スタッフがサポートします。

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業種・従業員数・今後の予定から、対象となる可能性のある制度をご案内します。

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よくある質問

ここに載っていない業種でも対象になりますか。

なります。助成金の多くは業種を限定していません。運送業、製造業、士業事務所、クリニックなど、雇用保険に加入している従業員がいれば検討できます。

従業員が2〜3人でも使えますか。

使えます。むしろ小規模な事業場ほど上限額が手厚く設定されている制度もあります。ただし、雇用保険への加入が前提です。

業務委託のスタッフは対象になりますか。

なりません。雇用契約に基づく従業員が対象です。ただし、直接雇用に切り替える場合は正社員化に関する制度の対象になる可能性があります。

就業規則がないのですが申請できますか。

制度によっては、就業規則の整備が要件になります。従業員10人未満で作成義務がない場合も、「就業規則に準ずるもの」の作成を求められることがあります。まずは現状をご確認ください。

複数の業種を営んでいる場合はどうなりますか。

主たる業種で判定されるのが一般的です。中小企業の範囲は業種によって資本金・従業員数の基準が異なるため、判定に迷う場合はご相談ください。

まとめ

介護・福祉、美容・サロン、小売・サービスのいずれも、正社員化と賃上げを軸にした制度が中心になります。業種特有の事情はありますが、雇用保険への加入と記録の整備という前提は共通です。

自社が対象になるかどうか、どの制度から着手すべきかは、従業員の雇用形態と今後の予定で決まります。無料診断からお気軽にご相談ください。

※本ページは令和8年度(2026年度)時点の公表情報をもとに作成した一般的な解説です。制度の内容・要件は変更される場合があります。申請にあたっては、厚生労働省および管轄労働局の最新情報を必ずご確認ください。